函館おたふく堂は北海道産大豆を使用したスイーツを作っているシフォンケーキ専門店です。シフォンケーキだけでなく、おからボーロ、とうふケーキなど様々な商品で来る人を楽しませています。
そんな函館おたふく堂の取締役店長の久保田淳さんに「シフォンケーキの美味しさの秘密」、「素材へのこだわり」について伺ってきました。
未経験からお菓子作りの道へ

ー本日はよろしくお願いします。すごいですね。ひっきりなしにお客さんが入ってきますね。
よろしくお願いします。大きい道路に面している訳でも無いのに、地元の方が良く来てくれていて、本当にありがたいです。
ーいつからオープンされているんですか?
2007年にオープンしました。今もメインは豆乳しふぉんけーきですが、当時はこんなに商品の種類はなかったんです。
ーかなりの種類がありますよね。豆乳のシフォンケーキをはじめたきっかけは何ですか?
創業した父親がもともと大手スーパーの社員だったんですよ。転勤で北海道に来て、その転勤先が函館だったんです。
ーお菓子職人とかでは無かったんですね。
全然畑違いでしたね。働いているうちに一つの豆腐屋さんと仲良くなったらしくて。そこの豆腐屋さんが直営店で大豆を使ったスイーツを販売していたんです。そこで作っていたシフォンケーキが相当おいしかったようなんです。
ー出会いは突然ですね。
その頃に父親は大手スーパーを退職してコンサルタントとして働いていたんですけど、そこの豆腐屋さんが食品のロスを出したく無いからと、売れ行きがあまり良くなかったシフォンケーキを終売するんです。
ー別れは突然ですね。
すぐに売れるようになるのは難しいと知っていたのと、父親がどうしても販売しないのはもったいないと思ったようで、自分自身で売り続ける道を選んだんです。
ーかなり思い入れが強いですよね。コンサルタント側が独立して自分自身で作るなんて。
そうですね。それほど商品力には自信があったんだと思います。そうしてオープンさせたのが「函館おたふく堂」です。
豆乳シフォンケーキ美味しさの秘密

ーシフォンケーキすごい「ふわっふわっ」ですよね。どうしてこんな食感が生み出せるんでしょうか?
牛乳や卵黄を使わずに、豆乳を使ってい作っているからこそ生み出せる食感です。膨張剤も防腐剤も使っていないんです。
ーこんな食感のケーキ食べたこと無かったです。甘さも柔らかいですよね。
甘くしすぎないように、素材の良さ、大豆の甘さを引き出しています。北海道産の大豆と小麦を使っているので安心安全で、ヘルシーであることも意識しています。
ー大豆の産地にこだわりなどありますか?
南幌町の大豆「とよまさり」にこだわっています。ショ糖の含有率が高い大豆なので甘さが自然と引き立ってくれんです。函館にある、しらたきが有名な有限会社ツチヤさんから仕入れさせていただいています。
ー製造工程でもこだわりがあるんですよね。
焼き上げた後に一度冷凍をしています。生地を寝かせることによって味が馴染んでより一層美味しくなるんです。
楽しんでもらうため、お菓子の種類を豊富に

ーシフォンケーキ以外にもかなりの種類がありますよね。おからボーロ、ドーナツ、ケーキ、プリンって出していったらキリがなさそうです(笑)
良く来てくれているお客さんでも全商品食べたことあるって人はいないくらい、高い頻度で新商品を開発しています(笑)
ー大変じゃないんですか…?
大変ですよ(笑)
大変ですけど、お店に入って色々な種類のお菓子があった方が楽しいじゃないですか。
ーお菓子職人じゃなかったにも関わらずこんなに作るってすごいです。
その分、生菓子の見た目はよくないですけどね(笑)
ーいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや()
お菓子職人がつくるような、見た目の華やかなお菓子ではないですが、原料にはこだわっています。いちごのしふぉんやブルーベリーのしふぉんなどは原料のジャムから手作りで作ってます。野菜類のしふぉんも野菜のパウダーなどを使用せず、原料を煮て潰し、ペーストを使用するなど野菜や果物本来の味をなるべく引き立たせるように手間をかけて原料から製造しお菓子に使用しています。
ーなるほど!(反応に困ったー危ない危ない)
ん?これって本当にパウダーとか着色料使ってないんですか?

すごい鮮やかな赤色をしてますよね。
ーはい(疑いの目)
これは北海道七飯町にある果樹園さんにあるりんごの木を1本まるごと購入して仕入れているりんごを使っているんですよ。
ーイッポン?
バーグンディーっていう品種なんですけど、その果樹園さんにはもう1本しかなくて、使い道が無いから切り倒すって話をしていたんですよ。
ーどうして切り倒されそうだったんですか?
その木に成るりんごが生のままだとかなり酸っぱいんです。なので一般に流通させることが難しかったようなんです。私たちもそんなに大きな店舗じゃないので、1本がだったらちょうどいいくらいだなってなって。(約500〜600玉収穫可能)
ー救世主ですね。
そう思われてると良いんですけど、収穫時期になったら自分たちで取りに行かないといけないんです(笑)
ーそんなことあるんですね(笑)
モノは一級品なので、自分たちで収穫してでも使いたかったんです。加熱すると甘さが増して、色がかなり赤い品種なので、着色料を使わなくてもこんなに綺麗に色が着くんです。
ー疑うくらい鮮やかです(笑)他にも素材にこだわりはありますか?
道南産にはこだわっています。季節のものを使用して、その素材を美味しく食べてもらう。そのためにも店舗近隣の地域から新鮮な素材を仕入れていきたいと思っています。

函館で1番と言われるお土産を作りたい

ー久保田さんはどういったきっかけでおたふく堂で働き始めたんですか?
もともと全国展開している自転車屋に勤めていたんですが、子どもが出来てから、全国転勤の無い、定住しながら働ける道を探していたんです。
ー(函館おたふく堂は)函館にしかないですもんね。
そうですね、父が事業の拡大を考えていて、ちょうど自分の転職とタイミングがあったのと、自分も販売の経験を生かして多くの人に食べてもらえるような商品を函館で作っていきたいと思って、15年ぶりに函館に戻ってきました。
ー今後の目標はありますか?
まずは「函館のお土産といえば」という質問をされて1番に思い浮かぶようなお店になりたいですね。
ーこれだけ地元に人に愛されてるので全然すぐ行けそうです!
来てくれた方にもっと楽しんでもらえるように今後も挑戦していきます!
ー本日はありがとうございました!
編集後記
お客さんが絶えず出入りしている中、取材にご対応していただきました。店長の久保田さんからお話を伺っていたのですが、所々、お父様にも補足をいただきながら和やかな雰囲気でお話しさせていただきました。良い素材を使って、美味しいお菓子を作って、地元のお客さんに喜んでもらいたい。そんなまっすぐな想いが溢れていました。お土産でいただいた道南産のさつまいもを使ったカップスイーツがそれはまあ濃厚で美味しくて。また何か買いにいきます。

函館おたふく堂
名称 | 函館おたふく堂 |
おすすめ | 豆乳函館しふぉん |
住所 | 〒041-0812 北海道函館市中道1丁目22-5 コーポなかの1F |
営業時間 | 10:00~10:00 |
定休日 | 火曜日 |
発送可能日 | – |
備考 | – |