職人

こだわりの戸井産マグロもシャリも自身の目で確かめる鮨処ひろ季

函館の繁華街本町の中心地にあるホテルマイステイズ函館の2階に店舗を構える鮨処ひろ季。特に北海道戸井産のマグロとシャリにこだわり、女将は利き酒師の上位資格「酒匠」を取得している。こだわり抜いた寿司と食事に合わせた全国各地のお酒を楽しめる人気店です。

幼稚園に通っていた頃、将来の夢はお寿司屋さん!なんて言っていた自分。いつその夢を言わなくなったのかもわからないし、いつからか、そんな厳しい道には行けないと思っていました。憧れの職業でもある寿司屋の大将にお話を聞けるということで楽しみもありながら、寿司屋の大将?絶対厳しいタイプの人だよ…と思いながら扉を開けると物腰柔らかくお話をしていただけました。

たまたま寿司と関わって、気づけば寿司に深く傾倒していった。

ー寿司職人を目指したきっかけを教えてください。

寿司と関わるようになったのは高校生の頃ですね。アルバイトとして寿司屋で働いたのが始まりですね。

ーその頃から寿司職人を目指していたんですか?

全く考えていなかったです。始めは自分の趣味に使うお金を稼ぐために始めたアルバイトでした。その後、寿司屋のアルバイトからは離れていたんですが、友達からアルバイトを紹介されて、それが、また寿司屋だったんです。

ー寿司屋のアルバイトってそんな簡単に回ってくるものなんですね。

本当にたまたまでしたね(笑)
皿洗いから色々な業務を任せてもらえるようになっていって、「これはもっと追求していきたいかも」、と思って、高校卒業後も寿司屋で働いていました。

ー寿司屋の修行というと厳しいものをイメージするんですが、実際はどうでしたか?

もちろん甘い世界ではありませんでした。それこそ寿司を握る機会なんて全くありません。たまに、「昨日これ見てただろ、やってみろ」と、急に腕を見せる機会が回ってくるんです。その時に、いかに自分の実力を見せられるかが重要でした。

ーやっぱり見て覚えるという世界なんですね。

そうですね。修行時代はお金があまりなかったのでネタを使って練習することが厳しかったんですが、チャンスを掴むためにも、海苔巻きだったら新聞紙で練習したり、包丁の使い方だったら、その日の営業で出た廃棄物で使えそうなもので練習するなどしていましたね。

ー厳しい修行時代をやり抜くことができた原動力はなんだったんでしょうか

一番はやっぱり自分の店を持ちたいということですね。この想いは人一倍強かったと思っているので、腐ってしまって辞めていく人たちもいる中で、お金が全てではないですが、修行時代は周囲より給料を貰えたりと、結果を残しながら、続けてくることができました。努力することで、チャンスを掴める経験が積めたことはとても大きかったですね。

そして2003年に独立し、「鮨処ひろ季」をオープンすることができました。

ーもともとはホテルマイステイズ函館内に店舗を構えていたわけではないんですよね?

独立当初は函館市梁川町に店舗を構えていたのですが、こちらのホテルを建設する際に、地元の寿司屋を入れたいと思っていたそうで、ありがたいことにお話をいただいたで移転することにしました。

ー移転する際にこだわったポイントなどはありますか?

内装を以前の梁川町の店舗の雰囲気に近くしています。

戸井産マグロの美味しさと寿司へのこだわり

ー戸井のマグロの美味しさの秘訣はなんですか?

獲ってからの処理の仕方が全然違うところですね。はえ縄漁という漁法で、獲った直後に船上で血抜きをして、すぐに氷水で冷やしながら港に戻るので、血が回らずに、身の変色や脂の酸化が抑えら、マグロの美味しさをそのまま味わえるんです。上品で深みのある味が特徴的ですね。

ー実際に戸井の船にも乗ったんですよね

戸井船団の方々に同行させていただいて、マグロについても色々と教えていただきました。そこで、戸井の処理技術は石川県由来だという話を聞きました。石川県は「能登本まぐろ」というブランドがあるのですが、こちらも処理技術が高いことで有名です。石川県の漁師たちがイカ漁の技術を学びに函館に来て、そのお返しというような形で処理技術が伝わったようなんです。

ー技術とかのルーツを知るとより一層愛着が湧きますね。

そうなんです。戸井船団の方々からも好きなように、美味しく調理してくれと話していただいたので、試行錯誤しながら、熟成具合など常に美味しくなるよう追求しています。

ー寿司って体積で考えたら半分程度はシャリが占めていてとても重要だと思うのですが、シャリに対するこだわりは何かありますか?

個人的には寿司の美味しさはシャリが8割以上を占めると考えています。シャリに使う調味料は極力減らしながら、米の旨みを引き出す方法を考えています。中でも気に入って使っているのが富山県のコシヒカリです。

ー地元である北海道も米所だと思いますが、それでも富山県のお米に引かれた理由はなんでしょうか?

たまたま富山県のお米を食べた際に衝撃を受けたんです。実際に富山県まで何度も足を運びました。米の等級を決める日があるのですが、その日に合わせて足を運んで、一番良いとされる、最高品質のお米を仕入れさせていただけることになりました。

自分自身が美味しいと思えるものを追求していく

ー行動力がすごいです!船に乗ったりと、何がそんなに緋田さんを突き動かしているのでしょうか?

好奇心ですね。もちろん美味しいものをお客さんに提供したいというのは大前提で、自分が食べて美味しいと思うものを追求したい、ということが大きいですね。

ー塩もご自身で作られているとか。

そうなんです。熊石の海洋深層水を、南かやべ産の昆布とかつおを使用しながら1週間かけて炊いて塩を作っています。買ってきた方が早いんですけど、自分で作りたくなるんです(笑)

※熊石海洋深層水は水深343mから取水したミネラル豊富な海水。水深が深く水温が一定で、清浄度が高く高品質とされています。

ー1週間も!こだわりがすごい…
その塩を使った「雲丹ほんのひと塩」を商品化していますが、作るきっかけは何だったんですか?

自分が食べたい雲丹が無かったので自分で作ろうと思ったことがきっかけですね。ウニは北海道産のキタムラサキウニを使用しています。もちろん、このままでも最高峰なんですが、自分で作った塩を用いながらより甘味を引き出しています。「北のハイグレード食品+(プラス)2015」にも選定していただけたことはとても嬉しいですね。

ー今後、挑戦していきたいことはありますか?

今はカツオの漁に出てみたいと思っていました。漁師の方に聞いてみたら1ヶ月ほどは漁に出っ放しだと聞いて、店舗のこともあるので、少し考えています(笑)コロナの影響で店を続けられるかどうか、赤潮の影響でウニなどの漁獲量の心配もあります。自然相手ですからどうしようもない部分が大きいので、今までに挑戦したことのない企画を準備中です。

今後も食材をしっかり見て、美味しいものを追求していくということは変わらずに続けていきたいですね。

ー本日はありがとうございました!

編集後記

幼少期に漠然とかっこいいなと思っていた寿司屋の大将とお話しできて嬉しかったです。きっかけはどうであれ、その仕事に前のめりになって取り組んでいく。これが仕事をする上で重要なんだと、職人の方の話を聞くと毎回痛感させられます。よし。色々と頑張ろう。

鮨処 ひろ季

名称鮨処 ひろ季
おすすめ雲丹ほんのひと塩
住所〒040-0011 北海道函館市本町26-17 ホテルマイステイズ五稜郭2階
営業時間17:00~23:00
定休日日曜日(祝日の場合 営業)
発送可能日
備考
ABOUT ME
波江 真
ロカラの波江です。1998年北海道函館市生まれ。新卒でロカラに入社し現在1年目。趣味は「筋トレ」「スポーツ観戦」「ダンス&ボーカル系」など様々。北海道に面白い仕事を創りたいと意気込んで日々奮闘中。多趣味を生かして、いろんな切り口で北海道の魅力を発信します!