北海道北斗市で明治後期の創業より今なお歴史を刻み続ける菓匠一福。4代目となる店主福島篤さんにお話をうかがいました。
一福が歴史歩んできた歴史と現在

ー北斗市や函館市など道南エリアにおいても歴史が長い一福さんですが、創業は何年になるんですか?
実は、明確に何年の創業というのがはっきりしていないんです。記録として確認できるのは、明治後期なので120年くらいになります。
ー想像しきれないほどの長い歴史ですね。
明確に分からないというのは、創業者が地元北斗市茂辺地の神社「矢不来天満宮」の宮司だった時に、飴や煎餅をつくり始めたのが起源のため、明確に何年からというのがわからないんです。
ー神社の宮司さんだったんですね。そこから、120年。一福の歴史が始まったんですね。
その後、私の祖父にあたる2代目が和菓子店に修行に出て本格的に和菓子店としてスタートしました。今も一緒にやっている父である3代目と私で4代目になります。
10年以上の歳月をかけ完成した一福のどら焼き

ー店舗のショーケースには、和菓子だけではなく、洋菓子も含めて多くの商品が並びますね。
私が、和菓子だけではなく洋菓子も学んだことで、ロールケーキやパウンドケーキ、注文をデコレーションケーキなどもだしています。
ー一番のおすすめは??
自信をもっているのはどら焼きですね。
ーどらやきといえば和菓子屋さんの定番のひとつですが、一福さんのどら焼きにはどんな特徴があるんですか??
定番だからこそ、人一倍こだわりをもっています。使用する小豆は大納言小豆で、その中でも、そのほとんどが本州の和菓子店に流通しているもの大納言小豆を使用しているんですよ。小豆は、丁寧な作業が必要で薄い皮の処理など下ごしらえが大変なんです。うちでは丸々二日かけて餡子をしこんでいます。
ーどら焼きといえば、餡もそうですが、皮にもひみつがあるとか?ふんわりしているように感じます?
するどいですね!一般的には皮は鉄板で焼き上げるんですが、うちでは蓋をして仕上げるので、ふっくらとしてしっとりとした食感に仕上げているんです。しっとりするには、大きな理由がもう一つあるんです。どら焼きを持ってもらってもいいですか??

ーずっしりとしますね!普通のどら焼きに比べると餡子がとっても多いような・・・
そう!うちのどら焼きは餡子がギッシリ詰まってるんだよね!でも、あんこが多い分皮がしっとりとしていないとどら焼きらしい綺麗なフォルムが作れない。巷では、餡子を挟んだような感じのどら焼きも多くあるけど、古き良きどら焼きのフォルムだけは残したい!という私のこだわりなんです。
ーたしかに、餡子の量が多くても、しっかり皮に包まれてTHEどら焼きというような綺麗な形ですね!
時には日本酒を入れてみたり、様々な本を読みあさったり、ずっと試行錯誤を続けてきて、納得できる皮にしあげるために10年以上かかったかな??もちろん、今がゴールではなくて、これからも腕を磨いていきたい。
ライターが選ぶ!菓匠一福おすすめの商品

菓匠一福 あんバタどら焼き
一般のあんバタどら焼きは餡子に板状のバターが入っているのが多いが、一福のあんバタは一味ちがう。バターのインパクトが強くなりすぎないように、しっとりさせたバターを上の皮の裏側に塗ることでバターの味と風味を均等に感じられるように仕上げている。こだわりの餡子とバターがケンカしないように、お互いの良さを引き出すように、職人の手で丁寧に塗られている。
歴史を感じる道具の数々
一福さんを取材させていただいた際に歴史を感じる道具の数々を見せてもらいました。
昔はこの箱にお菓子を入れて販売していた

鯛や鮭の木型の数々

昔から、今も現役で使用しているカステラの型

これまでに数々の賞を受賞

菓匠 一福
名称 | 菓匠 一福 |
おすすめ | あんバタどら焼き |
住所 | 〒049-0281 北海道北斗市茂辺地2丁目5-54 |
営業時間 | 8:00〜19:00 |
定休日 | 日曜日 |
発送可能日 | 営業日 |
備考 | – |
