経営

函館のチョコレート文化を牽引する2003年開業シュウェットカカオ

今回は函館市にあるチョコレート専門店シュウェットカカオさんに「函館のチョコレート文化」「使用しているカカオのこだわり」についてお話を伺ってきました。

函館チョコレート発祥の店舗

ー本日はよろしくお願いします!
実は店舗が高校の通学路にあったので勝手に親近感を感じていました笑

そうなんですか!ありがとうございます。

ーこちらの店舗はいつオープンされたんですか?

2003年の10月にオープンしました。
当時、日本最大のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」がスタートしたり、東京を筆頭にチョコレートブームの波が巻き起こっている真っ最中でしたね。

ー館山さんは「シュウェットカカオ」をオープンするまでどんなことをされていたんですか?

お菓子職人として働き出したスタートは札幌グランドホテルでアイスクリームを作っていたことがスタートです。

ー初めからショコラティエとして働き始めたわけではなかったんですね。

修行時代からずっと頭の中にはチョコレートのスキルを上げたいというイメージはあったんですけどね。
自分の想像していたチョコレートを形にしてお客さんに食べてもらえるようになったのは「シュウェットカカオ」をオープンする前に勤めていた北斗市にある「パティスリー ジョリ クレール」が初めです。

ーえっ?!「ジョリクレ」(パティスリー ジョリ クレールの略称)に勤めていたんですか?

そうなんですよ。
それまでは札幌で働いていたんですが、函館に戻って自分のお店をオープンしようと思った時に、たまたまタイミング良く末廣軒さん(北斗市にある老舗和菓子店。パティスリー ジョリ クレールの姉妹店。)からお声をかけていただいて。

ーパティスリー ジョリ クレールさんではどんなことをしていたんですか?

立ち上げから参画させていただいて、メニュー作りや店舗運営に関わる業務まで本当になんでもやっていたので、これから独立しようと考えていた身としてはとても勉強になりました。その時自分が作りたいと考えていたチョコレートも提供させていただき、お店の売り上げにも繋がっていきました。

ー当時、函館近郊にチョコレート専門店はあったんでしょうか。

無かったですね。
それもあってボンボンショコラや板チョコを作っていても、チョコレートの美味しさや価値をお客様に伝えきることができず、受け入れてもらうのは中々難しかったでしたね。

ーそうなんですね…確かに新しいジャンルを受け入れてもらうのはなかなか難しそうに思えます。
そこからどう変化させていったんですか?

まずは全国のコンテストや作品展に出品し入賞を目指し、メディアや新聞などで紹介していただいて地域の人に知ってもらうことに努力しました。そして地域の人に求められるようなチョコレートを作ることを意識しました。試行錯誤の繰り返しの毎日でしたね。

こだわりのチョコレートを気軽に食べてもらいたい

ーシュウェットカカオさんで大事にしていることは何ですか?

一番は函館に住んでいる人が気軽に美味しいチョコレートを食べてもらえることです。
オープン当時は1粒120円と、チョコレート専門店としては安価で販売していました。
他にもおいしいチョコレートに身近に触れてもらえるよう、ケーキや焼き菓子などもチョコレートにこだわったお菓子を取りそろえ、日本人には馴染みの深いソフトクリームなどを通して美味しいチョコの世界を味わってもらえるとの思いを含めて、アイス専門店もオープンさせました。

ーそこでお菓子職人としてスタートしたキャリアが実を結ぶんですね。

アイスクリームも自分でやり始めるとすごい奥が深いんですよ。もっともっと勉強したかったなと今になって思いますね。

シュウェットカカオの隣にあるアイス専門店 Glacier ‘c’est chouette !’ (グラシエ セ・シュウェット!)

ーチョコレートもすごく奥が深い世界ですよね。取材前にもチョコレートに関する記事を読んできましたが、こだわりの詰まった世界だと強く感じました。

人の手で作業することがほとんどなので、こだわろうと思うといくらでもこだわりを反映させられるんです。

ーシュウェットカカオさんのチョコレートでこだわっていることはどんなことですか?

カカオの品種にはこだわっています。全世界のカカオ生産量の3%~5%ほどのしか栽培されていない「クリオロ種」という、高品質で希少性が高いカカオを使ったショコラをメインに使用しています。そのアロマ質の高さは群を抜いていて、カカオの庭と呼ばれる「南米ベネズエラのバルロウェント地域」で栽培される”カルネロスペリオール”をセレクトした、エレガントなアロマの余韻にこだわって使用しています。

ー最近では高カカオ商品をスーパーやコンビニでも目にしますが、品種や産地でチョコレートを選ぶまでは意識してなかったです。クリオロ種を一番味わえる商品はどちらになりますか?

ボンボンショコラのコーティングには、ほとんどがクリオロ種を使ったチョコレートを使用しています。
その中でも店舗の名前を冠したボンボンショコラ「シュウェット」は、エクアドル産のオーガニックチョコレートを使用したガナッシュをベネズエラ産クリオロ種のチョコレートでコーティングした、カカオ発祥の地とされる南米のアロマを贅沢に味わえる一品になっています。

ーカカオ以外にもこだわっているんですよね

フルーツや生クリーム、アーモンドにも自分なりのこだわりがたくさん詰まっています。北斗市の大正9年創業の鈴木牧場さんの牛乳や、同じく北斗市の佐藤農園さんの手をかけれれて大切に育った美味しいいちごも分けて頂いています。生クリームは北海道産のフレッシュな純生クリームのみを使用。アーモンドプードル(アーモンドを粉末状にしたもの)は最高品質のスペイン産「マルコナ種」を使用しています。焼き菓子などに香り高く、リッチで芳醇な旨味を与えてくれています。

創造性を膨らませるために

ーいま店舗全体で取り組んでいることはありますか?

いわゆる「働き方改革」ですね。
従来の職人像とは違った働き方の中で、いかにして美味しいお菓子をお客様にお届けするのかを考えて取り組んでいます。

ーそれは具体的にどんなことですか?

お菓子に限らず、職人と呼ばれる職業はどうしてもこだわりなどが高じることで労働時間が長くなってしまいます。私も例に漏れず、修行期間は労働時間が深夜にまで及ぶことが多かったです。

ーそうですよね。すごく大変なイメージがあります。

労働時間が長いとリフレッシュもできませんから、自分の作りたいお菓子の技術を磨くこともできないんですよ。なので仕事が終わるまでが勤務時間ではなく、早番と遅番に分けてお菓子を作ってもらっています。

ーそれはかなり大きな変化なんですよね?

そうですね。少しずつですがお菓子のことを考えたり、素材のことや材料の合わせ方の違いなども考える事が出来るようになり、新しいものや美味しいお菓子を創造するモチベーションを持ってくれているのはうれしいことですね。

ー今後、館山さん自身がやってみたいことはありますか?

いやー、函館を発信していきたいとか、もっと店を大きくしたいとかそんな大層な夢は持ってないんです。ただ、来てくれた人に美味しいといってもらえるようなお菓子を、一緒に働いてくれている従業員と一緒に作って行けたらそれで満足です。

ーなんて素敵な答え…!ファンになりました!

ありがとうございます笑

ーこちらこそありがとうございました!

編集後記

とても物腰の柔らかい方で、言葉の節々から謙虚さを感じる、素敵な方でした。冒頭にも書きましたが、本当に自分の生活の一部にあったお店だったので、今回お話ができてとても嬉しかったです。「もっと〜していきたい」というニュアンスの言葉が多く、チョコレート作りにまだまだ満足していない、これからもっと美味しいものを作っていきたいという気概が溢れていて、これから店舗を訪れるたびに商品ラインナップを見るのが楽しみなりました。

ABOUT ME
波江 真
ロカラの波江です。1998年北海道函館市生まれ。新卒でロカラに入社し現在1年目。趣味は「筋トレ」「スポーツ観戦」「ダンス&ボーカル系」など様々。北海道に面白い仕事を創りたいと意気込んで日々奮闘中。多趣味を生かして、いろんな切り口で北海道の魅力を発信します!