職人

3代続く函館の洋菓子店。地域に根ざしたお菓子作り函館ふうげつどう

函館市石川町にある本格的な洋菓子が楽しめる函館ふうげつどう。苺の生ロールや季節限定商品、2021年11月現在は新型コロナウイルスの感染予防のため閉鎖中だが、普段であればイートインスペースでランチセットやケーキなどを店舗でも楽しむ事ができる。約50年たった今でも地元のお客さんから愛されている人気店です。

ー函館ふうげつどうを創業したきっかけを教えてください。

私の祖父が始めたお店です。お店をオープンする前に祖父が住み込みで働き始めたのが菓子製造工場だったんですが、そこで腕を磨いて「小川製菓」として洋菓子の製造卸を始めたのが始まりです。

ー「函館ふうげつどう」として動き始めたのはいつからですか

約50年になるので、1970年からですね。初めは函館市本町に店舗を構えていて、その後に田家町、現在は石川町で営業しています。

ー「凮月堂」って東京や神戸で有名な店舗と関係あるんですか…?

実は…関係あるんです。というのも、昔、東京凮月堂の函館市店があったのですが、祖父がそこで働いていたんです。そこからの繋がりで、暖簾分けという形で凮月堂を背負って営業しています。

ーこんな文献が配られるんですね!

歴史のある名前なので身が引き締まりますね。

3代続く老舗を継ぐため、東京の有名老舗店で腕を磨く

ーお祖父さん、お父さんとパティシエとして働いている姿を見てきて、小さい頃から菓子職人として働こうと思っていましたか?

そうですね。何となく自分も(パティシエに)なるんだろうと思っていました。ただ、大変な姿も見てきていたので簡単な道ではないんだろうとも感じていました。

ーお菓子作りはいつから始められたんですか?

高校卒業後に地元函館の製菓専門学校に進学した頃からですね。家業が洋菓子店ですので、クリスマスなどの時期に手伝ったりはしていました。

ー卒業後はどこかで修行などしていたんですか?

卒業後は縁あって東京にある「パティシエ・シマ」で5年ほど修行していました。

※「パティシエ・シマ」の創業者はクレメーダンジュなどを日本中に広めたとされており、日本のパティシエ界に多大な影響与えている。

ーかなりの有名店ですよね。周囲の店舗と比べると修行の厳しさや求められるものがとても高そうですがいかがでしたか?

そうですね。他の店舗で修行している方から話を聞くとやはり厳しさや求められるレベルは高かったと思います。それでもスポ根というか、そういう熱い思いが湧き出てきて自分の腕を磨きたい一心で修行時代は過ごしていました。

ースポ根!大事ですよね。その精神。

スポーツの練習でも自分だけが辛いなんていう状況は少なくて、チームメイトの皆んなも辛いながらも目標に向かって頑張っていますよね、それはパティシエとして働いていても同じですし、会社員として働いていても同じだと思うんです。そう考えると、色々ありましたが何とかやり抜く事ができました。

ー修行時代に転機となった出来事はありますか?

業者の息子さんが海外から店舗に戻ってきたことですね自分もいずれは函館に戻って店を継ごうと思っていたので、親子が同じ店舗で働く姿を見れたのはとても参考になりました。

ー親子で働くことの難しさは色々ありそうです。。。

単純に年齢の違いから、お菓子に対する価値観や、働くことに対する価値観がそもそも違うというのは大きいですね。店舗経営についてぶつかり合う姿を近くで見ていました。

どんなことでぶつかるのか、お互いに目指している姿を共有することの重要性など学びましたね。

代表商品「苺の生ロール」や季節限定商品のこだわり

苺の生ロール

ー函館ふうげつ堂といえば苺の生ロールや季節限定商品が有名だと思いますが、それぞれについて教えていただいてもよろしいでしょうか。

いずれも私の父が考案した商品なんです。苺の生ロールは20年以上前からありますね。一時期、日本中でロールケーキが流行ったんですが、その時期よりも前から作っていました。当時から生地はピンク色だったので、かなり挑戦的な商品だったと思います。

今では苺は年中採れるので、その時期に合わせた苺の味を活かして作っています。夏の苺は酸味を感じるので爽やかに、冬の苺は甘味が強いので濃厚に仕上げています。

季節限定商品は夏だと桃のタルト、秋にはりんごパイを毎年提供しています。

ー桃のタルトは口コミでも評判で、とても綺麗ですよね。

桃のタルト

桃のタルトは使用する品種を2種類に限定しているので、提供できる期間は1ヶ月半程度と短いのですが、毎年お客さんが「楽しみにしている」と声をかけていただいたりと、とても人気の商品ですね。どうしても1日の製造数に限りがあるので、買えなかったというお客さんもいらっしゃるのでそこは改善していけたらと思っています。

ーそして秋には七飯町産のりんごだけを使用したりんごパイなど、お客さんが通年飽きることなく楽しめますね。

地元のお客さんに楽しんでもらうことが一番なので、飽きられないように常に工夫は凝らしていきたいですね。

1→100を少しずつ、確実に、丁寧に行う。

ー地元である函館に戻ってきてから手がけたことを教えてください。

まず初めに手がけた商品はエクレアです。もともとエクレアはあったのですが、生地がゴツゴツしていて、コンビニでよくみるような見た目だったんです。そこは洋菓子店らしさを出そうと思って、スタイリッシュな形の皮に変更しました。

ー今ある商品のクオリティを上げているんですね。

そうですね。東京で得たものをそのまま函館でも同じようにやろうとするのはよく無いと感じています。例えば「抹茶×カシス」は美味しいと東京でウケていても、同じように函館でも受け入れてもらえるかはまた別の話です。まずは地元のお客さんに受け入れていただいている商品のクオリティを少しずつ上げていく。自分は0→1よりも1→100にする方が得意なんです。派手さは無いかもしれませんが、足元を固めながら進めていきたいですね。

ー昔からあるものを美味しくすることは店舗のクオリティを上げることに繋がりますよね。

昔からで思い出したんですけど、祖父が使っていたノートが残っているんですよ。

ー10秒くらいで持ってきてくれましたが、すぐ手の届く範囲に置いているんですね。現在でも書かれていることは活きているのでしょうか?

ここに書かれているメニューで、材料など全て同じでは無いですが、修業先での採用されたり、現在も函館ふうげつどうで提供しています。なんて書いているかわからない字もあるんですけどね(笑)

ー歴史あるメニューを現代風にアレンジして提供する。まさに1→100の作業ですね。
今後やっていきたいことはありますか?

約50年以上続いてきた店舗ですから、これからも続けていくという事が目標です。焦らずに、細く長く続けていきたいですね。

地元の方々にもっと知っていただけるように広め方なども考えていきたいですね。ただお菓子を作って終わりではなくて、もっと地域の方から愛されるように、そんな事も考えていきたいです。

編集後記

地元の人気店函館ふうげつどうさんにお伺いしてきました。やはり人気店だけあって、お客さんが常に出入りしていたり、小川さんがお客さんに声をかけていたりと、暖かい雰囲気を感じるお店でした。実は自分が通っていた高校の先輩だったようで、名物先生の話題で盛り上がったりと、とても親近感が湧きました(笑)帰りにおじいさんが考案したという苺のエクレアをいただきました。生地のしっかりとした食感とクリームがめちゃくちゃ美味しかったです!!

函館ふうげつどう

名称株式会社 函館凮月堂
おすすめ苺の生ロール
住所〒041-0802 北海道函館市石川町183-1
営業時間平日  10:00 ~ 19:00
日・祝 10:00 ~ 19:00
定休日不定休
発送可能日
備考
ABOUT ME
波江 真
ロカラの波江です。1998年北海道函館市生まれ。新卒でロカラに入社し現在1年目。趣味は「筋トレ」「スポーツ観戦」「ダンス&ボーカル系」など様々。北海道に面白い仕事を創りたいと意気込んで日々奮闘中。多趣味を生かして、いろんな切り口で北海道の魅力を発信します!