本日は、函館市湯川に拠点を置いている「竹葉新葉亭」の大桃さんに「竹葉新葉亭の歴史」や「食への想い」についてお伺いしてきました。
皆さんは旅館とホテルに違いについて考えたことはあるだろうか?いざ聞かれてみるとその違いを指摘できる人は少ないかもしれない。大桃さんは「旅館は非日常的で特別な場所である」とおっしゃっていました。私もその返答を聞いた時に腑に落ち、こう思いました。確かに、旅館は桃源郷のような場所であると。
仕事・勉強・人間関係・好きなプロ野球球団が優勝できないという、日常での悩みを抱えている皆さん、旅館に行こう。旅館が悩みを忘れさせてくれるから。

代表取締役。1978年生まれ、函館市湯川町出身。2015年頃に竹葉新葉亭を継いだ。
家業が旅館だったこともあり、東京のホテルの専門学校を卒業。その後、伊豆の旅館で2年半近くの修行をし、30歳ほどで新葉亭に戻り現在に至る。
竹葉新葉亭の歴史

―本日はよろしくお願いします。創業は何年でしょうか?
1949年5月の戦後間もない頃に、大桃ゑきえが創業しました。
―創業当時の様子はどのような様子だったのでしょうか?
ゑきえさんは16歳から始めた芸者をやりながら、温泉旅館を始めたんです。当時、戦後の混乱期を生き抜いていく中で、自宅の隣にあった老舗旅館「高砂」に年老いた母を温泉に入れたいという思いがあったんです。それから3年間毎日頭を下げ続けてお願いしたところ、五十石の温泉を分けていただいたそうなんですよね。
―母を温泉に入れてあげたいという想いで、3年間も・・・。
その分けてもらった温泉をきっかけに、客室五室の温泉旅館「竹葉」を営み始めたんですよね。

―いきなり旅館を始めたのは大変でしたよね?
おっしゃる通りです。何といっても、旅館経営の知識や経験は皆無でしたし、当時は他の旅館から教えを乞えるような状況ではありませんでした。そこで、ご縁があって湯の川温泉旅館組合の方々が快く話を聞いてもらえたことで、旅館の知識を得ることができたんです。
―そうだったんですね。
そして創業当時、函館で一、二を争うほどの腕を持つ料理人(後の函館割烹調理師組合理事長)を迎えいれることができ、竹葉での料理の基礎が築かれたんです。
―竹葉新葉亭さんといったら料理が評判ですが、そのような背景があったんですね!

食へのこだわり
―先ほども述べた通り、料理がとても評判ですよね。こだわっていることはあるのでしょうか?
北海道の旬の食材を最大限活かす、いわゆる地産地消にこだわっています。

―地産地消いいですね!地産地消にこめられた想いはありますか?
やはり足を運んでいただいたお客様に、北海道の魅力・旬の食材の魅力を堪能してほしいという想いが強いです。食材を扱う上で、農家さんや漁師さんとのコミュニケーションも欠かせません。
―私も含め、道外から来る人は北海道の食材を満喫したいという想いが強いので、とても嬉しいです!
ありがとうございます。
実は料理をより堪能していただくために、空間づくりにもこだわりがあるんです。
―どのような空間を意識されたのでしょうか?

もともと、畳に強い想いがあったこともあって、和室にこだわりました。近年の住宅では畳の部屋が設備されているところは少なくなってきていますよね。旅館を非日常的な空間にしたかったので、和室と和食という気品あふれる空間に仕上げました。
―昔ながらの和室と歴史のある料理という組み合わせ、堪能してみたい・・・
―先ほど、売店の方にオリジナル商品があると書いてあるのを見かけたのですが、何を販売しているんでしょうか?
生チョコ、カステラ、岩のりくらげ、塩辛、松前漬け、カレーなど販売しています。

―甘いものからしょっぱい物まであるんですね!オリジナル商品を作り始めたきっかけはあったんでしょうか?
旅館で提供しているオリジナル朝食で、お客様からの評判が良かったものを商品化したんですよね。
―お客様のご要望に応えたものを商品化する、私たちからしたら嬉しい限りです!
来ていただいた方に満足していただくため、これからもお客様に喜んでいただける取り組みに励んでいきます。
今後も継続していきたいこと

―今後もやっていきたいことはありますか?
旅館の日帰りプランの工夫を凝らしていきたいです。
旅館といえば、宿泊してその場で美味しい料理を食べることができるというイメージが強いと思います。そこで、竹葉新葉亭では結婚・長寿・両家の顔合わせといったハレの日に特別な空間を提供する日帰りプランを行っています。
―ハレの日を非日常的な空間で迎えることができれば一生の思い出になりますね!
そうですよね。
加えて、テイクアウトにも力を注いでいきたいです。竹葉新葉亭の料理の歴史は長いこともあり、お客様に最高の食事を提供できます。この食事をを旅館だけではなく、自宅でも味わっていただくことで、うちの料理が皆様にとって身近になってくれれば幸いです。
取材を終えて
今回は竹葉新葉亭さんにお話をお伺いしました。
お客様に最大限満足していただくために、地産地消や空間づくりなど隅から隅までこだわっているのがとても印象的でした。私も、東京の某ホテルでアルバイトをしていたことがあり、大桃さんのお客様に向けた細かいサービスや従業員への配慮にはとても感銘を受けました。
北海道の食を堪能したい方、非日常的な空間でリラックスしたい方、ぜひ竹葉新葉亭さんに足を運んでみてください。
改めて、お忙しい中、ありがとうございました!
竹葉新葉亭
名称 | 竹葉新葉亭 |
住所 | 〒042-0932 北海道函館市湯川町2丁目6-22 |
電話番号 | 0138-57-5171 |
営業時間 | 朝:7時から11時まで、午後は14時から21時30分まで |
定休日 | 年中無休 |
