今回の取材ではレタスの生産している高坂農園さんに「レタスへのこだわり」と「美味しい野菜と農業への想い」についてお伺いしてきました。

高坂農園レタスの美味さの秘訣は「新鮮さ」
―レタスの味に差をつけるのは難しいと考えているのですが、レタスの美味しさの秘訣はありますか?
うちの場合は鮮度にこだわったかな。朝採りした新鮮なレタスをその日の朝のうちに出荷して、開店前や10時くらいには大手スーパーの店頭に並ぶようにしてるんだよね!これが高坂農園のレタスの新鮮さの秘訣です。

―当日の朝に収穫して昼に店頭に商品が並ぶというのは珍しく感じるのですが・・・
小売企業に配送を行っている農家さんは滅多にいないかもしれない。他の農家さんがやっていないことをすることで、うちのレタスの鮮度の良さを際立たせることができているんだと思う。
―そうなんですね!配送の工夫だけでなく、他に鮮度を保つためのこだわりはありますか?
高坂農園ではもう一つこだわりがあって、必ずラップをして出荷するようにしているよ。ラッピングは風味や香りを逃がさない役割だけじゃなくて、水分が飛ばないようにするための鮮度維持のフィルムの役割もあったりするんだよね。
―東京のスーパーで販売されている他のレタスを思い出してみると、確かにラップされているのはあまり見かけないかも・・・
そうなんだよね!個人でラッピングができる機械を取り扱ってる農家さん少ないと思うけど、より新鮮なレタスを皆さんに届けるためには労力を惜しまないよ!朝出荷して昼までに店頭に出す場合でも、少しでも鮮度がいい状態であってほしくて1個1個ラッピングしてるよ。
新鮮なレタスをより多くの地元のお客様に
―鮮度にこだわりがあるということは、函館付近での販売が多いんでしょうか?
その通りで函館付近での販売が多いんだよね。あと、実は道南の生協のご近所野菜シェア率が90%超えてるんだよね(笑)。

―90%以上!?
そうなんだよね。たくさんの農家さんが生協のご近所野菜に野菜を出していると思うんだけど、函館近郊の全ての生協のご近所や野菜に出しているのはウチだけじゃないかな??他の出荷先も含めて年間の全出荷量は60万個くらいになるのかな。
―イメージできないくらい多いです(笑)。函館近郊の全生協に出荷できる程の生産量を誇るのはレタスの栽培に専念したからなのでしょうか?
まさしくその通り!うちの農園みたいに春夏通じて生産を行う農家さんは少なかったし、生協の全店舗に毎日出荷しているがうちだけっていうのも知れたことで、レタス界隈で影響力があることが分かったんだよね。これがきっかけで函館付近で生産していて、生協のご近所野菜のレタスで90%以上のシェアを誇るうちがレタスに特化すれば、他の農家さんがレタス市場に参入しづらいと思ったんだよね。
―かなり戦略的だったんですね!今後道南以外に出荷したいという考えはありますか?
基本的には道南以外に出荷することはないかな。でも、他地域でレタスが不足しているときは出荷するかもしれないけど、地元での出荷を最優先してるよ。一時、高値がついたりしたりもするけど、いつも買ってくれる地元のお客さんを大事にしたいからね。
―確かにレタスの新鮮さを考えると、函館でのシェアを維持する方がいいですよね。
そうだね。高坂農園の新鮮なレタスを、函館内でのレタスブランドとして価値を高めていきたいかな。
美味しい野菜と農業への想いを紡いでいく

―少しでも鮮度がいい状態でお客さんに届けたいという想いを伺いましたが、食べてくれる人への想いが強くなったきっかけがあるのでしょうか?
当初は市場に出していたんだけども、取引相手が食べてくれる人ではなくて企業の人であったから、味の感想やら何も聞こえてこない状態だったんだよね。でも別の機会で食べてくれた人の声が耳に入ってきたときに、今まで以上にやりがいを感じたんだよね。
―そうなんですね!やはり食べてくれる人の声があると嬉しいですよね。
農家さんによって変わってくると思うんだけど、俺は嬉しいよね。代々作ってきたレタスが売り上げ記録として残るだけじゃなくて、味の感想としても残ることでモチベーションにもつながるよね。
―私が東京にいる時は農家さんに感想を言うどころか、生産地や商品の形を確認するだけで、誰が作っているか気にすることがなかったです…。
東京とかだとやっぱりそういう人が多いよね(笑)。でも、都会とか関係なく、地元の食べ物として認識してもらって、誰が作ったものなのか、どのように作られているのかを少しでも認識してもらえるようになると嬉しいな。
―東京に戻ったら意識して見てみます!
―では、味の評価でのつながり以外に、更にお客さんとのつながりを強めていきたいという想いはありますか?
そうだね。つながりを強くするだけじゃなくて、街の人に少しでも農業について知ってもらいたいと思って農業体験や見学を積極的に受け入れるようにしているよ。

―自分の農園を知ってもらいたいという想いだけではなく、農業に関心を持ってほしいという願いもあるんですね。
昔に比べて今の子どもたちって農に触れる機会が少なくなっていってるんだよね。昔だったら田んぼとかに生き物が沢山いて楽しかったんだけど、今は生き物を通して農を楽しむことが減ってると思う。だから農と触れ合える場を設けることで農や素材について知ってもらいたい!
―生産者としてだけではなくて、一次産業の継承者としての役割も果たされているんですね!
そういうことになるね!生産者として一次産業の継承者としてこだわりを持って今後も励んでいこうと思う。でもやっぱり一番は高坂農園を知ってもらうことで、レタスと言えば高坂農園と言ってもらえることが嬉しいかな(笑)
―ですよね(笑)。「レタスと言えば高坂農園」もう忘れません(笑)
今回は高坂農園さんにお伺いしてきました。
「レタスを最良な状態でお客さんに届けたいという想い」、そして生産者として一次産業の後継者として農業を広めていきたいという「農業への強い想い」をお聞きすることができました。東京にいては気づくことができなかった「新鮮な野菜を届けたい」という想いが僕の心の中で響きました。ただ商品を手に取るだけでなく、生産者さんの想いを知ることで食がより楽しくなると思いました。最後に一言言わせてください、「レタスと言えば高坂農園」。

名称 | 高坂農園 |
住所 | 〒041-1222 北海道北斗市千代田111−1 |
営業時間 | ‐ |
定休日 | ‐ |
備考 | – |
